逮捕から勾留の流れ
1 逮捕の種類
逮捕には3つの種類があります。
①通常逮捕、②緊急逮捕、③現行犯逮捕です。
①通常逮捕はあらかじめ裁判官の令状をもらって逮捕することです。
②緊急逮捕とは、死刑や無期、長期3年以上の懲役など犯罪の嫌疑が十分で、裁判官から令状を入手する時間がない場合、先に逮捕して後から令状をもらうことです。
③現行犯逮捕は目の前で犯罪を行っている者を発見した場合、令状なくその場で逮捕することです。
2 検察官送致
逮捕した後、警察は48時間以内に身柄を検察官に送致します。
これを受け、検察官は、24時間以内に勾留請求するか、釈放するかを決めます。
勾留とは、被疑者を刑事施設に拘禁することです。勾留は、警察はすることができず、検察官が裁判官に請求し、裁判官が勾留をするかどうかを決定します。
裁判官は、勾留するかどうかを決定するにあたり、被疑者を裁判所に呼び出して質問します。これを勾留質問といいます。
3 勾留
勾留は、原則として10日間と決められていますが、引き続き勾留が必要だと判断された場合、追加で10日間延長されます。つまり勾留は20日間認められます。
勾留場所は裁判官が決定しますが、多くは警察の留置所に拘禁されます。
逮捕または勾留は被疑事実ごとにされます。そのため、1つの事件で23日間の身柄拘束期間が終了しても、別の容疑で再逮捕され、また23日間の身柄拘束をされることもあります。
勾留に対しては、準抗告という不服申し立て手続があります。準抗告の結果、裁判官が勾留を不適法と判断した場合、勾留は取り消され、被疑者は釈放されます。
なお、起訴された後は、保釈といって、一定の金銭を供託することで身柄釈放を受ける制度がありますが、起訴前の勾留では、保釈は認められません。
4 取調べで注意すべきこと
逮捕や勾留をされた時、最初の取調べから、本当の事を述べることが重要です。決していい加減な行動や発言はいけません。「裁判で本当の事を言いえば大丈夫」という甘い考えは通用しません。
なぜなら、逮捕された人の発言は信用性が低いからです。適当な発言をすると、実際の罪より重い刑が下されたり、無実を有罪にされる可能性もあります。捜査、取調べに対しては、きちんと対応する必要があります。