取扱業務
弊所は、①企業法務、②法人の倒産処理、③事業承継・相続を業務の柱としており、
その割合は、①70%、②10%、③10%程度です。残りの10%は、いわゆる一般民事事件です。
1.企業法務
ア ビジネスモデル構築のサポート
企業法務でもっとも多い業務は、ビジネスモデル構築のサポートです。企画書を見せていただくなどして、クライアントが実現したいビジネスモデルを理解し、それを契約書や利用規約に落とし込んでいきます。クライアントの考えたビジネスモデルが、現行法に違反しないかを審査する業務もあります。万が一、法律に触れることが分かった場合は、適法にするにはどこを変えればよいかを検討し、アドバイスすることもあります。ビジネスモデル構築のサポートは、クリエイティブで、かつ知的好奇心をかき立てられる充実感のある業務です。
企業によっては、契約日直前になって相談に来られるところもあるので、作業が深夜に及ぶこともあります。その場合、企業の担当者も夜遅くまで作業していることが多いので、一体感が生まれ、無事、契約が締結できたときには、同じ会社の同僚のように、互いに喜びを感じることもあります。
イ 労働問題(使用者側)
企業法務で次に多いのは、労働問題(使用者側)です。残業代、解雇無効、セクハラ・パワハラ被害など、いろいろな問題に対応します。従業員の犯罪に対する対応を依頼されることもあります。刑事弁護だったり、告訴の代理だったりします。
クライアントから、様々な業法や、消費者契約法、個人情報保護法などの特別法について質問を受けることもあります。
ウ 紛争案件
紛争案件は常時20~30件抱えており、任意交渉や訴訟の代理業務をします。
企業法務の特徴は、扱う法律が多岐にわたること、クライアントのレベルも高く、法律事務所の成果物に対しては、質とスピード両面で要求が厳しいことが挙げられます。その一方で、しっかり成果を挙げれば正当に評価していただけるので、案件が無事終了したときには大きな充実感を味わうことができます。
2.法人の倒産処理
倒産処理は、民事再生などの再生型処理と、破産などの清算型処理があります。
民事再生は、公認会計士などの専門家と協業して、事業の立て直しを図ります。経営者と一緒に、利益の出ている事業をどう守っていくかを考えて、従業員や、金融機関、取引先などのステークホルダーとの間で利益調整をします。
破産では、資金がショートする時期を予想してXデー(破産申立日)を設定し、それに向けて密行的に準備を進めます。時間的な猶予がない場合が多いので、一点集中で準備を進めます。申立日前日は徹夜になることもあり、体力的には大変ですが、その分、仲間やクライアントとの一体感を感じることができます。
3.事業承継・相続
事業承継では、公認会計士や税理士と一緒に、税金を考慮して最適な承継スキームを決定します。弁護士は主に、契約書や規程の整備、遺留分など法律問題の検討をします。
相続では、相続人間の紛争を、任意交渉や、調停・審判により解決します。法定相続分は、法律で決まっているので動かすことはできません。しかし、財産評価や、どの財産を誰が取得するかを工夫することにより、クライアントに有利な解決を図れることがあり、パズルのような面白さがあります。相続は、家族という最も親密な人間関係における紛争であり、いろいろと考えさせられることも多い業務です。
4.その他
数は少ないですが、離婚、交通事故、不貞行為の慰謝料請求、個人破産などの一般民事事件を受任することもあります。3~5年間在籍すれば、弁護士業務は一通り経験できるのではないかと思います。