勾留から起訴の流れ

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1 勾留の目的

被疑者を勾留するのは、刑事裁判の準備として、被疑者の取調べや証拠物等の収集を行うためです。
裁判官は勾留する前に勾留質問をする必要があり、被疑者に対し事件の内容を述べ、これに関する陳述を聞かなければなりません。被疑者に事件の事実、言い分けなどがあるのか質問します。勾留質問の内容は、裁判所書記官が勾留質問調書に記載します。
裁判官は、勾留の要件が十分満たされていると判断した場合は勾留状を発しますが、勾留の必要がないと判断した時は勾留状を発することはなく、被疑者の釈放を命じます。
勾留の執行は検察官が指揮を取り、検察事務官や司法警察職員などが実行します。

2 起訴と被告人勾留

被疑者の勾留期間内に起訴された場合、被疑者は被告人へと変わり、被疑者に対する勾留がそのまま被告人に対する勾留に切り替わります。
立場が被疑者から被告人になった場合、勾留期間は公訴の提起があった日から2か月間となっています。しかし、逃亡や証拠隠滅をするおそれがあると認められた場合、さらに1か月間ずつ更新することが認められます。

3 起訴とは

起訴とは、被疑者を刑事裁判にかける手続です。
日本の法制度において、原則として検察官のみ起訴する権限を持っています。起訴するかどうかは、勾留の終了直前に決定します。
検察官は、まず被疑者に対する取調べ等の捜査を行い、その結果に基づいて起訴するか判断します。起訴する場合、検察官は裁判所に起訴状を提出します。起訴状には、被告人の氏名、住所、生年月日などを特定するものと、公訴事実、罪名、罰条等が記載されています。
検察官は警察から送致された事件について捜査を行い、有罪判決が得られる高度の見込みがある場合に限って起訴します。
起訴された後に取る行動としては、弁護士と時間をかけて裁判の方針についてよく話し合うことです。弁護士もただ話を聞くだけではなく、少しでも判決がよくなるように最善を尽くします。途中で諦めたりせず、弁護士としっかり話し合って、裁判に向けて方針を立てることが大切です。