死後事務委任契約
1 死後事務委任契約とは
死後事務委任契約とは、委任者が、受任者に対し、自分の死後の葬儀や埋葬に関する事務についての代理権を付与して、自己の死亡後の事務を委託する委任契約です。
任意後見契約・財産管理等委任契約は、判断能力が不十分な本人のため、財産管理等を行う契約ですから、本人が死亡した時点でその職務が終了します。
したがって、死後の事務を委託するためには、任意後見契約・財産管理等委任契約だけではなく、死後事務委任契約も締結しておく必要があります。
最後の自己表現として葬儀のやり方を具体的に指定したり、散骨等の埋葬方式を指定したりする場合には、生前に、遺される方々に対して自分の希望を伝え、実際に葬送を行うことになる人々との話し合いや準備をしておくことも大切です。
2 死後事務委任契約でできること
亡くなった後の事務手続きとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 生前に発生した債務の弁済
- 死亡後の葬儀、埋葬もしくは永代供養に関する債務の弁済
- 賃借建物の明渡し、敷金もしくは入居一時金等の受領
- 親族関係者への連絡
- 家財道具や生活用品の処分に関する事務
任意後見契約や遺言と組み合わせて、死後事務委任契約も検討されることをお薦めいたします。