自己破産と個人再生
1 自己破産とは
自己破産とは、経済的に破綻してしまい、支払時期が到来しても、自分のもっている資産ではすべての債権者に対して完全に返済することができなくなった場合に、裁判所に申し立てをします。
裁判所では、破産管財人を選任し、最低限の生活用品以外すべての財産を処分させ、全債権者に、債権額に応じて公平に分配させます。
なお、破産者にめぼしい資産がない場合には、破産管財人は選任されず、破産申立てと同時に手続が終了する場合があります。この場合を「同時廃止」といいます。
破産手続が終了すると、裁判所は、破産者を免責するかどうかの判断をします。免責が許可されると、破産者は、残りの債務を返済しなくてよくなります。
自己破産をすると、信用情報機関にその事実が登録されるため、5年間~10年間ほど、クレジットカードが作れなかったり、新規の借り入れができないというデメリットがあります。
他方で、免責が認められれば、債務を返済する義務を免れることができます。また、選挙権を失ったり、戸籍や住民票に自己破産の事実が記載されるようなことはありません。
2 個人再生とは
個人再生とは、原則的として、住宅ローン以外の負債を5分の1にカットしたうえで、3年かけて返済していきます。住宅ローンは約定通り返済するのが原則ですが、それが難しい場合は、住宅ローン会社と3年間にわたりリスケして返済額を減らす交渉をします。
個人再生を利用するためには、住宅ローン以外の負債総額が5,000万円以下であること、継続して収入を得る見込みがあることという条件を満たす必要があります。また、再生計画を作成し、裁判所に認可の決定をしてもらう必要があります。
個人再生の場合も、自己破産と同様、信用情報機関にその事実が登録されるため、5年間~10年間ほど、クレジットカードが作れなかったり、新規の借り入れができないというデメリットがあります。
他方で、個人再生が認められると、「持ち家」を守りながら負債の圧縮が可能というメリットがあります。