逮捕、勾留からの脱却方法

1 逮捕

法律上、逮捕に関して不服申立ては認められていません。逮捕から脱却するには、捜査官に対して、犯罪の嫌疑がないこと、逃亡や証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを訴え、釈放してもらうよう働きかけることです。ただし、逮捕には法律上の不服申立て手段がないため、逮捕後直ちに釈放してもらうのはかなり難しいといえます。

2 勾留の阻止

逮捕による身柄拘束時間には制限があり、最大で72時間です。しかし、逮捕後勾留がなされると最大20日身柄が拘束されます。そのため、逮捕された場合は、その後の勾留決定を回避することが、身柄の拘束から逃れるもっとも有効な方法です。
具体的には、勾留請求をする権限を持っている検察官に対して、勾留請求をしないように働きかけます。
もし勾留請求をされたとしても、実際に勾留するかどうかを決定する裁判官です。そこで、裁判官に対して、勾留請求を却下するように求めることになります。
弁護士が、勾留を回避できる可能性がある事件を受任した場合は、検察官、裁判官宛ての意見書を作成して提出したり、実際に検察官、裁判官と面談したりして、被疑者が勾留されないよう最大限の努力をすることになります。

3 準抗告

また、勾留されたからといって、何も抵抗せずに受け入れることはなく、裁判官に対して、準抗告をすることもできます。被疑者の近親者の葬儀があるなど、緊急の急用の場合に勾留の執行停止を申し立てることもできます。また被害者がなぜ勾留されるのかを明確にするため、勾留理由開示請求をすることもあります。

4 勾留延長の阻止

最初の勾留期間は、勾留請求の日から10日間ですが、その後最大10日間勾留期間の延長が認められます。勾留延長の手続は、最初の勾留とほぼ同じで、検察官が裁判官に対して勾留期間の延長を請求し、裁判官がこれを認めれば勾留期間が延長されます。
勾留延長に対する対応についても、最初の勾留の場合とほぼ同じす。弁護士としては、まず検察官に対して勾留延長をしないよう働きかけます。それにもかかわらず勾留が延長されてしまった場合は、裁判官に対して勾留延長に対する準抗告をすることになります。