児童買春事件

1 児童買春事件とは

児童買春とは、児童(18歳未満)に対して、お金などを渡す代わりに、性交や性交類似行為をすることをいいます。児童買春で逮捕されるケースでもっとも多いのは、児童が夜間徘徊等で警察に補導され、児童が持っていた携帯電話のメール履歴等から、加害者の身元が明らかになるケースです。

児童買春の法定刑は、「5年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はその両方」です。業務上過失致死罪の法定刑は「5年以下の懲役若しくは禁錮、又は100万円以下の罰金」です。児童買春の法定刑は、人が死亡している業務上過失致死罪よりも重いといえます。そのため、児童買春は、初犯であっても身柄拘束され、正式裁判となることが多いです。

2 児童買春の弁護

児童買春の場合、被害者様と示談交渉を行うことが重要です。被害者様は未成年者ですので、実際の示談交渉は被害者様のご両親様と行うことになります。交渉の相手がご両親様の場合は、「子供を傷つけられた!」として、被害者様ご本人様が相手の場合よりも交渉が難航したり、示談金額が高騰することもあります。示談成立に至らなかった場合は、示談交渉の経緯を報告書にまとめるとともに、示談金を弁護士口座に預かり預金通帳の該当箇所をコピーして、検察官や裁判所に提出するという方法があります。

示談の他にも、①ご親族の方に、今後は未成年者との性的関係を持たないように監督する旨の上申書を作成してもらったり、②ご本人様に、性的偏向を矯正するためにカウンセリングに通うことを約束してもらうという方法もあります。上申書の書き方のポイント等は、弁護士でないと分からないと思います。

児童買春の場合も、これらの弁護活動がうまくいくと、逮捕・勾留の23日間のみで身柄が釈放され、不起訴処分で終了したり、略式命令の罰金刑のみで終了することもあります。

児童買春の弁護の場合、早期の対応が重要です。なるべく早くに、弁護士に相談するようにしましょう。

3 起訴されてしまった場合の弁護活動

身柄拘束されたまま起訴されると、判決がでるまで身柄拘束が続くのが原則です。ただし、起訴後には、保釈の制度があります。保釈というのは、保釈保証金を納付することを条件に、裁判所が身柄を釈放する制度です。そこで、起訴後は、保釈に向けた活動をすることになります。裁判所に保釈許可決定を出してもらうためには、確実な身元保証人を見つけるとともに、保釈保証金を用意する必要があります。

判決に向けての弁護活動としては、①反省していること、②社会的な制裁を受けていること、③両親や配偶者による監督やご本人様がカウンセリングに通うこと等により再犯の可能性が低いことを、裁判官にアピールしていくことになります。④ご本人様が保釈された場合は、保釈中に真面目に生活し、その様子を報告書等の書面で提出したり、被告人質問の中で明らかにしたりします。⑤被害者様のご両親様との示談交渉も、引き続き続けます。

児童買春の場合も、同種前科がなく、示談が成立し、犯行態様も悪質でない場合には、執行猶予で終了することも少なくありません。

4 犯罪事実を争う場合

ご本人様が、「18歳以上だと思って、お金を渡して性交渉をした」という場合は、検察官に対してその旨主張して、不起訴にしてもらうよう交渉します。ただし、実際のケースでは、お金を渡して性的関係を持ったことが事実の場合は、携帯電話のメール履歴や児童の服装・外見等から、「(ご本人様は)18歳未満であることを知っていた」とされてしまう場合も多いことに注意が必要です。

他方で、相手に対してお金を渡しておらず、せいぜい青少年保護育成条例違反が問題となるに過ぎないケースや、そもそも性的関係を持っておらず、犯罪に問われることがないケースでは、検察官や裁判所と徹底的に争う必要があります。

もちろん、真実は無実であったとしても、自白してしまえば、早期に身柄が釈放されたり、略式命令の罰金刑や執行猶予付きの有罪判決で終了するというケースもなくはないでしょう。しかし、本当に犯罪行為を行っていないのであれば認める必要はありませんし、徹底的に争ったにもかかわらず、不幸にして、検察官や裁判所によって有罪とされてしまっても、必ずどこかにご本人様が無実であることを分かってくれる人がいるはずです。

犯罪事実を争う場合は、刑事弁護に詳しい弁護士の援助が不可欠です。なるべく早くに弁護士に相談するようにしましょう。

5 逮捕前に自ら自首する方法

18歳未満と知りつつお金を渡して性交渉をしてしまったものの、まだ逮捕されていないという方の中には、「逮捕されたらと考えると、不安で不安で仕方ない」「悪いことをしてしまったので、警察に全てを告白して楽になりたい」という方も少なくありません。そのような場合には、最寄りの警察署に自首するというのも1つの方法です。自首は、自分ひとりで行っても話がうまくできず、警察官が取りあってくれない場合もあります。自首する場合は、弁護士に事前に相談し、警察署へは弁護士に同行してもらって行くのがよいでしょう。刑事訴訟法では、自首が成立すると刑が減軽される場合があるとされています。

当事務所では、それぞれの事案に即して、早期の身柄の釈放、示談交渉、勤務先への対応、自首の同行など必要な弁護活動を行います。まずは弁護士に相談してください。