取引先から契約書を渡された
1.さあ、どうしよう
「取引先から、取引を始めるにあたって契約書に調印するよう求められた。でも、渡された契約書に書かれている内容が、よく分からない・・・」
このような場合、「この契約書に調印してしまうと、自社に不利益が生じないか?」と、何となく不安になると思います。
それは、「取引先は、自分にとって有利な内容の契約書を渡してきたのだろう」「取引先が渡してきた契約書に、こちらに不利な内容が書かれていても、わざわざ指摘してくれることはないだろう」ということを、直観的に感じられたのだと思います。
2.取引先には、どのように返事すればよいか?
そのような不安は、多くの場合当たっています。取引先が自分から契約書を渡してきたということは、契約書の重要性を理解して万全の契約書を用意してのことである、と考えた方がよいです。
相手先企業から、練りに練った契約書を渡されたとしたら、貴社は単独で対応できるでしょうか? 何年も前から法務部を整備しているという会社でない限り、どの条項が問題であるか(=自社にとって不利であるか)という見極めすら困難なケースが多いのではないでしょうか。仮に問題となる条項を発見できたとしても、どのような修正案を示せばよいかという段になると、もうお手上げということにならないでしょうか。
取引先から示された契約書に調印してしまうと、不利な内容の契約書に縛られてしまう危険があります。契約書に調印してしまった後に、その効力を否定することは非常に困難です。「契約書の内容を読まずに調印してしまった」、「こんな不平等な条項は無効ではないか」と後から言ったところで、ほとんどの場合は通用しません。契約世界では、「契約自由の原則」(=契約内容は当事者が自由に決めてよいという原則)が広く行き渡っているということを理解しなければなりません。
このような場合、専門家の活用を考えるのも一案です。