交渉のバックアップ

1 弁護士は交渉のプロ

弁護士業務の第1は、紛争処理です。紛争が生じている場合は、最終的には、裁判所に判決をしてもらい、黒か白かで決着させます。

しかし、訴訟を提起した場合も、判決までいくのはごくわずかで、ほとんどの事案は、裁判上の和解で決着します。そもそも訴訟にまでならず、任意交渉でまとまるケースも多くあります。

弁護士業務の基本は、裁判に勝つための証拠集めや書類作成をすることです。しかし、それと並んで重要な業務として、依頼者様にとって有利な内容で和解をまとめる業務もあります。そのため、弁護士は、常に実践の場で交渉術を学んでいます。

2 弁護士が出た方がよい場面と、出ないほうがよい場面

紛争を有利に解決するために、弁護士が前面に出た方がよい場面があります。たとえば、相手方との交渉が手詰まりになってしまった場合や、当事者が感情的になってしまい冷静な話し合いができない場合などです。

これに対して、弁護士が前面に出ない方が、かえって有利な解決が期待できる場合もあります。

たとえば、法律的に詰めていくと当方がかなり不利な立場であるにもかかわらず、当方にとって有利な条件で交渉が進んでいる場合です。このような場合に、弁護士が代理人として相手方と交渉すると、相手方も弁護士に相談する可能性が高いです。すると、相手方が、実は自らが有利な立場にあったということに気付いてしまい、交渉が後退してしまうことが考えられます。

このような場合には、弁護士は前面に立たず、後方から支援するというのが望ましいサポート方法であると考えます。

3 弁護士による交渉のバックアップ

(1) 訴訟になった場合を予想して作戦を立てる

弁護士は、訴訟を沢山経験していますので、交渉が決裂して訴訟になった場合、どのような判決が出るか、ある程度予想することができます。訴訟になっても勝てそうな事案であれば、強気でどんどん押すべきです。「強気」こそ、交渉の最大の武器です。

他方で、訴訟になったら負けそうな事案の場合、あるいは訴訟でどうなるか予想が難しい事案の場合は、そこそこのところで、矛を収めた方がよいでしょう。深追いして時間を浪費した挙句に得るものが少ないのでは、割に合いません。

弁護士は、訴訟のプロですから、訴訟になった場合にどうなるか、ある程度予測ができます。そのような予測に基づいて交渉をすると、最大限のよい結果を得られる可能性が高まります。

(2) 交渉方法についてのアドバイス

任意交渉や裁判での和解交渉を通じて、実践で交渉術を鍛えています。

ある程度経験のある弁護士であれば、相手の性格や属性に応じて、こちらがこのように動くと、相手は次にどのように動いてくるかとか、強気で押した方がよい場面と落としどころを探った方がよい場面の見極めなどが可能です。

交渉のフェーズ・フェーズで、弁護士と打合せをして次の作戦を立てると、交渉で最大限のよい結果を得られる可能性が高まります。

弊所は、交渉のバックアップを得意としています。

弁護士に相談してみたいが、まだ代理人になってもらうほどでもないと感じていらっしゃる企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。