不祥事対応

1 不祥事対応の基本

企業活動において、不祥事対応は非常に重要です。
不祥事はできる限り防ぐべきです。しかし、不幸にして不祥事が起きてしまった場合、迅速かつ適切に対応することで、かえって企業への信頼が高まることもあります。

2 不祥事が生じた場合に最初にすべきこと

不祥事が生じた場合に最初にすべきことは、証拠の保全と事実の調査です。
不祥事を起こした当事者により、証拠の隠ぺいが図られることがあります。そのため、業務用のパソコンや資料を回収し鍵のかかる部屋に保存するなどの対策が必要です。

初動時点では、不祥事に関わった者にも、徹底的に隠ぺいする者から、正直に事実を告白し会社の調査に協力する者まで、温度差があることが多いです。そこで、人海戦術を用いて、できる限り短時間で、関係者全員からのヒアリングを実施し、収集できる証拠(供述証拠も含む)は全て収集するのがよいといえます。

3 不正調査の実施

証拠保全と事実の概要が掴めたら、本格的な不正調査を実施します。不正調査には、①社内調査として行う方法、②社内調査ではあるが、弁護士など外部の専門家も加えて行う方法、③第三者委員会を立ち上げる方法などがあります。
不祥事の種類や規模に応じて、適切な調査方法を選択する必要があります。

4 マスコミ対応

社会的な影響の大きな不祥事では、マスコミ対応が非常に重要です。マスコミ対応を誤ったために、必要以上に企業イメージが棄損されてしまったケースは、非常に多いです。記者会見やプレスリリースをどのように行うかは、慎重に判断する必要があります。

5 警察や監督官庁への対応

不祥事の種類によっては、警察や監督官庁への対応が必要になります。事実を包み隠さず報告することが基本になりますが、必要以上に重いペナルティを課せられるのも避ける必要があります。

6 関係者への責任追及と再発防止策

不正調査が終わったら、関係者に対して、労働法上の懲戒処分や、民事上の損害賠償請求等を行います。場合によっては、刑事告発等により刑事責任の追及も行う必要があります。
また、不祥事がどうして起きてしまったのか、その原因を探り、再発防止策を講じることも重要です。具体的には、組織体制の見直し、チェック体制の強化、従業員のコンプライアンス意識を高めるための研修の実施などの措置を講じることが多いです。

不祥事対応には、専門的なノウハウと経験が必要です。弊所の代表弁護士は、勤務時代に、いくつもの企業の不祥事対応にかかわってきました。

不祥事対応でお困りの企業様は、お気軽にご相談ください。